ジュエリーショップで商品を選ぶときに見かける「合金」という表記のものは、強度が高く安価で購入できる点が大きな魅力です。
しかし、錆びやすく変色しやすい特徴を持つため、こまめなお手入れがかかせません。
本記事で合金アクセサリーの特徴や具体的なメリット・デメリットをチェックし、ご自身に合うアクセサリーを見つけるための参考にしてみてくださいね。
アクセサリーを選ぶときに見かける表記「合金」とは?

アクセサリーを選ぶときに、素材欄に「合金」や「亜鉛合金」などの表記を見かけたことはありませんか?
「合金」という共通する単語があるため、「どれを選んでも似たようなものだろう」と考えてしまいがちですが、実は素材によって性質が大きく異なります。
用途や体質に適したアクセサリーを選ぶために、使われている合金の特性を把握しておきましょう。
合金とは

合金とは、2種類以上の金属を混ぜて作られた素材のことです。
アクセサリーの素材で単に「合金」と記載されている場合は、「卑金属」というくくりの金属を複数混ぜて作られていることを表しています。
1種類のみの金属を使うよりも合金を使用したほうが、耐久性が増したり加工しやすくなったりするといったメリットがあるため、よく利用されているのです。
なお、卑金属に含まれる金属は以下の通りです
このみ店長卑金属に含まれる金属
- ニッケル
- 鉄
- アルミニウム
- すず
- 亜鉛
- 銅 など
また「チタン合金」や「亜鉛合金」など、合金の前に金属名がついている場合は、その金属を主体として作られた合金であることを意味しています。
どのような金属を混ぜているかによって性質は変わるため、含まれる金属の種類を確認してアクセサリー選びをするとよいでしょう。


アクセサリーによく使われる合金を4種類ご紹介します。「合金」という単語がついていない金属でも、合金に分類されるものもあるため注意しましょう。
| 合金の種類 | 特性 |
|---|---|
| 亜鉛合金 | 亜鉛+アルミニウム等 ・衝撃に強い ・加工しやすい |
| チタン合金 | チタン+アルミニウム等 ・腐食しにくい |
| 真鍮 | 銅+亜鉛 ・加工しやすい |
| ステンレス | ニッケル+クロム+鉄等 ・錆びにくく、汚れにくい |
ひとくくりに合金といっても、上記のようにまったく違う特性を持っています。
あまり手間をかけずにきれいに保ちたい方はステンレス、デザイン性の高いものなら加工しやすい亜鉛合金や真鍮など、素材の特性にあわせてアクセサリーを選びましょう。
合金のアクセサリーを選ぶメリット


合金のアクセサリーには、ゴールドやシルバーなどの貴金属にはないメリットがあります。
手軽におしゃれを楽しめる合金アクセサリーの魅力を知っておきましょう。
強度が高いケースが多い


ゴールドやシルバーなどの貴金属は、純度が高いほどやわらかく曲がりやすい特徴があり、少しの衝撃で傷ついてしまうことがあります。
対して合金は、複数の金属を混ぜることによって硬さや強度を向上しているため、簡単に傷つかないものが多いのです。
ただし貴金属のようにやわらかい特性を持つ合金もあるため、強度を目的とする場合は購入前にショップへ確認してみるとよいでしょう。
安値で購入できる


合金のアクセサリーは非常に安価です。
その理由として、合金は安価な卑金属で作られていることが挙げられます。貴金属なら数万円以上するようなアクセサリーが、合金なら数千円で手に入るのは大きな魅力といえるでしょう。
たとえば貴金属の代表格であるゴールドの地金価格は1gあたり約7,200円ですが、なんと卑金属のニッケルなら1gあたり約2.3円です。
これだけの価格差があるため、合金なら貴金属を使ったアクセサリーよりも圧倒的に安価に購入可能なのです。
合金のアクセサリーを選ぶデメリット


合金のアクセサリーにはデメリットも存在します。これから紹介する項目にネガティブな気持ちになってしまう場合は、別の素材を検討してみましょう。
錆びやすい素材が含まれている場合がある


合金とひとくくりに言っても、性質はそれぞれ大きく異なります。含まれる金属や比率によっては、錆びやすい素材が含まれている場合があるため注意しましょう。
錆びやすい合金として知られているのは、アクセサリーにもよく使われる真鍮です。汗や水分に触れることで「緑青」と呼ばれる緑色の錆が出てきてしまうことがあります。
反対に錆びにくいものとして、アルミ合金があります。アルミ合金の表面には「酸化膜」と呼ばれる膜が自然とできるため水分や酸素を遮断でき、錆びにくいのです。
合金のアクセサリーを選ぶ際は、使われている素材をチェックして性質を把握しましょう。
変色・黒ずみが起きやすい素材もある


合金の中には変色や黒ずみが起きやすい素材もあるため、注意して選びましょう。
たとえば銅と亜鉛の合金である真鍮は、空気に触れて酸化することで黒ずんでいきます。真鍮のアクセサリーは色の変化も魅力のひとつではありますが、メンテナンスなしに輝きを保てないことは知っておいたほうがよいでしょう。
メンテナンスに時間や手間を割けない方は、お手入れせずに輝きを保てるサージカルステンレスなどで作られたアクセサリーがおすすめです。
金属アレルギーを発症する可能性がある


合金アクセサリーは金属アレルギーを発症させる可能性があります。
金属アレルギーは汗や体液で溶け出したイオン化した金属が、体内のタンパク質と反応することで起きます。そして合金に使われる卑金属は汗や体液で溶け出しやすいため、金属アレルギーの原因になりえるのです。
反対にゴールドやシルバー、プラチナなど「貴金属」と呼ばれる金属は溶け出しにくい性質を持つため、金属アレルギーがある方でも身に着けられるケースは多くあります。
金属アレルギーがある方は、合金アクセサリーを避けたほうがよいでしょう。
合金アクセサリーの錆びや変色を防ぐためにはお手入れが重要


お気に入りの合金アクセサリーをきれいな状態で楽しむためには、お手入れが欠かせません。空気や水などに触れることで起こる色の変化やくすみは、金属の性質上避けられないためです。
使用されている金属によって方法は異なりますが、一例として真鍮製のアクセサリーの黒ずみを落とすメンテナンスの仕方をご紹介します。



黒ずみの落とし方
- 真鍮をお酢(クエン酸やレモン汁も利用可能)に2~5分を目安に浸す
- お酢から取り出し、水でよくすすぐ
- 水気が残らないよう、柔らかい布で拭き取りながら磨く
このお手入れのポイントは、汚れが落ちたらすぐにお酢から取り出すことです。長時間浸すと真鍮が溶けてしまうので、様子を見ながら時間を調整しましょう。
ただしまんべんなく汚れが落ちてしまうため、アンティーク感や風合いを残しつつきれいにしたい方は重曹ペーストで磨く方法がおすすめです。



重曹ペーストのお手入れ方法
- 重曹と水を2:1の比率で混ぜ、ペースト状にする
- ペーストをつけた指や布、綿棒などで傷をつけないようやさしくこする
- 汚れが落ちたら水でよくすすぎ、水気が残らないよう柔らかい布で拭き取りながら磨く
重曹ペーストで磨く方法なら、力加減やペーストをつける場所を調節することで、好みの風合いに仕上げられます。
好みと金属に合う適切な方法でメンテナンスをして、アクセサリーを楽しみましょう。
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